薬剤師が転職を成功させる5つのポイント

  • 薬剤師歴は約3年の30代女性です。薬剤師としての転職経験は2度あり、1つ目は600床程度の急性期病院、2つ目は調剤薬局、そして3つ目は100床程度の慢性期病院です。
    恥ずかしながらそれぞれの施設での勤務経験は長くはありません。これからお話する内容も「転職の失敗談」が主になります。しかし、これから転職を考える方に、私のような失敗をしてほしくなく、何か少しでも得られるものがあればいいなと思います。
  • 転職先は働きながら決める

  • これは実体験からも感じますし、周囲の薬剤師 からも言われました。いったん、離職してしまうと、再就職への焦りが少なからず生じます。そうすると、給与面であったりスキルアップできる体制があるかなど、自分が転職先に求める様々な条件があるかと思いますが、その条件を下げてでも再就職しなければと思ってしまいます。始めは焦っていなくても、医療の現場は日進月歩です。私は一つ目の病院でがん化学療法を行う病棟に勤めていましたが、その病棟に産休・育児休業を経て約2年ぶりに復帰したある薬剤師が「知らない抗癌剤がたくさんある、浦島太郎状態だ。」と苦労していたのを見てきました。ブランクなく次のステップとして転職するためには、働きながら時間的・精神的余裕を持って有利に転職活動を進めましょう。
  • 転職先の「離職率」を情報収集する。

  • これは施設のホームページや資料、転職サイトの紺さあルタントなどから情報収集をすることです。実体験として言えるのは、「頻繁に求人が出ている施設は離職率が高い傾向にあるため、職場環境が良くない」ということです。薬剤師は比較的転職が多い職種ではありますが、それでも就職後3年以内の離職率が高い施設は注意が必要です。その原因は業務の量的問題、質的問題、人間関係など様々あると思います。私の経験上、人間関係の問題(パワハラ上司がいた、新人をいびる薬剤師がいた)や業務の質的問題(経験が未熟なのに一人で判断することを要求され責任が重すぎた、わからないことを聞いてもきちんと教えてもらえず教育体制が整っていなかった)などがありました。
    したがって、施設説明会や見学会で離職率について情報を得るか、それが難しければ面接で思い切って聞いてみるのも必要だと思います。

    転職先の薬剤師から「職場の実態」の情報収集をする。

  • 転職先のスタッフからの情報とは、実際の給料、時間外勤務や休日勤務を含めた勤務時間、施設内の雰囲気・人間関係など、特に民間の病院はハローワークに出されている条件と実態がかけ離れているがあります。私は2つ目の病院と調剤薬局でそれを痛感しました。「これって労働基準法としてはアウトなのでは。」と思ったことも1度や2度ではありません。ただ、実際働いている薬剤師から情報を得るのは難しいことも多いと思います。その際は、転職サイトのコンサルタントからの情報収集に努めた方が良いと思います。 薬剤師の転職サイトでは、さまざまなサービスを無料で受けられるので、そういったものも活用するのがおすすめです。
    私の場合はいずれも地元の医療機関に転職したため、スタッフからは情報を得られなくても、スタッフの知人からは情報収集ができました。しかし、実際にはそれを怠ってしまったため、転職してから給料の少なさ、拘束時間の長さに後悔することが多かったです。転職した後にパワハラ上司だと知り、自宅に帰っては泣くか、落ち込むかの毎日だったこともあります。
  • なぜ転職したいのかを考える。

  • 根本的なことですが、「なぜ今の職場を辞めたいのか。転職先に行きたいのか。」といったことについてよく考える必要があります。そこには消極的理由ではなく、積極的な理由があった方がよいでしょう。積極的な理由には、スキルアップができるから、給与・待遇面で条件が良いからなどがあるかと思います。一方、私の場合はどの転職も消極的理由でした。具体的には、うつ病になってしまい睡眠障害・食欲低下・体重減少・腹痛などの症状が改善せず、身体的にも精神的にも仕事を続けることが限界でした。「早くこの状況から逃れたい、自分は組織の何の役にも立てていない」と罪悪感や焦燥感が先立ち、退職を決意しました。退職したいから次の職場を探すというのは、精神的余裕を失ってしまい、有利に就職活動を進めることはできません。
    余談ですが、もし私のように自身の健康を害してしまっている場合は冷静な判断ができにくいと思います。そのときは思い切って病気が寛解・治癒するまで「仕事をしない」という選択が必要です。これは一見、最初「働きながら転職活動をする」との助言に反するようですが、「仕事をしないことが「今の私の仕事」なのだ。社会貢献は健康体になってからでいい。」であったり、「薬剤師という仕事をする上で、今は「病気を体験する仕事をしている」という状態なのだ。」という意識を持てた方が、精神的ゆとりを生み、じっくり腰を据えその後の転職活動に向かえます。
  • 自分の適性を知る。

  • この項目が最も重要な転職を成功させる秘訣かもしれません。本当の自分は意外と見えにくいものです。私自身、30歳までに色々な職場を転々とし、失敗を重ねることで、「ああ、私って本当はじっくり一つの作業をする方が好きなんだな。妥協が苦手な生真面目なマイペースだな。」と感じています。こういった適性は少なくとも薬学部の学生時代には気づけていなかったため、最初の就職先選びにも失敗したように思います。
    これから転職しようという方には、色々なサイトにある適性テストなどを活用してほしいです。私もこういったテストを活用しました。また、今の職場の同僚や先輩などに「自分でどんな感じに見えているか」を聞いてみるのもいいと思います。自分では気づいていない面を意外と他人は客観的に見てくれています。私の場合もそうでした。自分を知ることが、自分に合った職場選びを成功させる一番の近道です。
  • 転職を成功させるポイント

  • 転職活動を成功させるには、まず、自分の適性を知ることが必要です。自分はどういった作業が向いているのか、好きなのかを知ることです。それには既存の適性テストを活用したり、職場の同僚などから情報を得るのもいいでしょう。
    次に、転職する理由を考えることです。転職活動を有利に進めるためには、転職理由は積極的理由でなければなりません。消極的理由ばかりの場合は、すでに精神的余裕が失われていて、有利な転職活動はできないでしょう。その際は思い切って休むこと(仕事をしないこと)も薬剤師の仕事をする上で必要なときもあります。
    最後に、転職先の3年以内の離職率が高い場合は、何らかの理由で職場環境が良くないことが多いですので情報収集をしましょう。また、転職先のスタッフあるいは転職サイトのコンサルタントから勤務実態についても情報を得ましょう。
    これらのポイントを押さえて働きながら転職活動を進めることが成功の秘訣です。